プロスポーツチームの資料紹介!スポンサー提案書の作成方法を必須10項目で解説!
- 2020.04.01
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今回は、プロスポーツチームに於けるスポンサー営業の際の提案書の作成方法についてです。
プロスポーツチーム運営において、安定経営、チーム強化の両側面から、スポンサー獲得は最も重要な仕事です。
熱い営業マンの方からすれば、伝えたいことがありすぎて提案書の作成に時間がかかってしまい、商談先の企業を待たせてしまったり、
提案資料の枚数が多くなりすぎて、伝えたい要点や数字がボヤけてしまったり…
と様々な悩みがあると思いますが、今回は
に絞ってお伝え致します!
スポンサー提案書の必須10項目
ずばり、スポンサー提案書の必要な項目、
つまりこれからスポンサーになることを検討している企業にとって知りたい情報は、
- クラブビジョン
- チーム成績(過去5年以上)
- 売上実績(過去5年以上)
- 入場者数の推移(過去5年以上)
- 活動拠点の市場
- SNSのフォロワー数
- 選手の市場価値
- 所属選手の紹介(マーケティング視点)
- 広告媒体の提案
- スポンサー権利の紹介
以上の10項目になります。
先日、別のブログ記事「プロスポーツチーム運営に必要な資料を紹介!その作成方法を10項目で解説【会社概要編】」の中でもご紹介させていただきました「会社概要」の説明自体は既に済んでいる事を前提とし、提案する「広告媒体」によっては他にも必要な項目はありますが、今回は私の経験上、スポンサー候補の企業が知りたがる基本項目について解説して行きたいと思います。
クラブビジョン
このクラブビジョンに関しては会社概要の説明の際にも、もちろん触れていると思いますが、
このスポンサー提案の際で重要なことは、
について、記載することが大切です。
スポンサー提案の場は、
「これから共に一緒に歩んでいきましょう」
とアプローチする場です。一方的な提案ではなく、
「私たちと一緒に歩めば、こんな良い事(メリット)がありますよ」
とはじめに提示をして、プレゼンに引き込む必要があります。
その際に重要なことは、相手企業の事を良く分析し、
を準備しましょう。
例えば、相手先の企業がこれから「グローバル企業」への発展を目指していれば、「スポーツのグローバル性」やクラブの目指す「国際戦略」についての「親和性」を見つけておきましょう!
チーム成績
スポンサー候補の企業にとって、競技面に於いて、そのチームが所属リーグのどういった位置にいるのか、強豪チームなのか、古豪チームなのか、これから伸びしろのあるチームなのかは、重要なポイントです。
なぜなら、地元企業が地元チームを応援することを目的にしたスポンサー提案であれば別ですが、多くのスポンサー候補の企業は、
その際に重要なのは、
です。その「ポジショニング」を把握する上で、競技成績は重要なファクターでありますので、過去5年分の競技成績に関しては記載しましょう。
これは、過去の優勝回数が多いから良いとかではなく、前項でもお伝えしましたが、チームと企業の「親和性」を見極める為の材料になりますので、優勝歴も無く、特筆すべき成績も無い場合でも全く問題ありません。
売上実績
ここで、スポンサー候補の企業が知りたいポイントは、
- 事業規模(売上高)
- 収益の構成
- 収益の柱
- 売上の成長曲線
になります。
プロスポーツビジネスは一般の企業の方からすると、テレビでのスポーツニュースやネットでのニュース、SNS上での動画などから良く目にするコンテンツです。
ですので、どうしてもチームの事、選手のこと、競技成績の情報ばかりがインプットさせていて、チームの事業規模や、どのような売上の種類があるのか、またその中で柱となる事業は何なのか?は、意外と知らない部分は多いと思います。
ですので、ここでも過去5年分ぐらいの数字の整理はしておきましょう。
入場者数の推移
入場者数の推移に関しては、
スポンサーの広告効果とダイレクトに繋がる重要なファクターです。
近年、試合のストリーミング配信や、SNSの普及により、スポンサーの広告露出は多岐の媒体に渡っていますが、スタジアムやアリーナ内でのスポンサーの広告露出の効果は数字では表し難い部分もありますが、一番効果のある媒体です。
なぜなら、プロスポーツビジネスは、ファン・サポーターの「感情(感傷)的タッチポイント」が多く、その感情に寄り添うことで、そのブランドを深く浸透させることができる唯一の広告媒体であり、その中でも、
だと私は思っております。これも、過去5年分は最低でも準備しましょう。
活動拠点の市場
そのチームが日本の中のどこに拠点を置き活動しているのか、
その街の人口、経済、地域性、などはスポンサー企業にとって重要です。
チームのスポンサーになるということは、プロスポーツの「公共性」という側面から、そのスポンサー企業も地域に溶け込んで行くことが必要になりますし、溶け込むことで、よりその投資対効果を得る事ができるでしょう。
その為に、スポンサー候補の企業側からすればチームの活動拠点の市場調査は必須です。
チーム側として、準備しておきたい情報は、
- 活動拠点の人口
- 活動拠点の経済的特徴
- 活動拠点の文化的特徴
- 入場者の居住地データ(構成比)
- 周辺の競合情報
です。
最後の「周辺の競合情報」とは、
- 同拠点の他プロスポーツチーム
- 近隣の他プロスポーツチーム
- 近隣のアミューズメントパーク
- 近隣の大型ショッピングモール
等々。つまりプロスポーツチームにとって「集客の競合」になる「コンテンツ」です。
SNSのフォロワー数
入場者数と同様、スポンサーの露出価値としてSNSのフォロワー数は、スポンサー候補の企業が他チームと比較する上でも大きな比重があるのではないでしょうか。
言うまでもないかもしれませんが、その種類は、
- インスタ
- LINE
- YouTube
- TikTok
海外のチームになると、ここに「Linkdeln」が入っていることが多いですね。
またTwitterの比重は日本よりも低いように思います。
私が、海外のサッカーチームで日本マーケティングをしている時に、他チームとの比較で重宝していたデータはこちらです。参考までに。
📲 #TikTok 🗓 2020ko otsaila ➡ Europako futbol ⚽
🔵⚪ Erreala hogeigarren postuan dago!
Zorionak Txuri-urdines! pic.twitter.com/PT9XFIteBC
— Deportes&Finanzas® 👉🏠 (@DeporFinanzas) March 25, 2020
選手の市場価値
私のサッカー界での経験上、この
でした。
理由はわかりませんが、「選手」に「値付け」をする文化がまだに日本ではネガティブな印象なのでしょうか?
個人的な意見ですが、もっともっと選手の価値、チームの価値を第三者の目で評価し、その数字を積み上げ、資金力のある企業、投資家に
も面白いのでは、と個人的には思っています。
そんな賛否両論?ある、選手の市場価値をサッカー界ではありますが、全世界のリーグ、選手を各カテゴリー、各チーム毎にデータ収集している、この「Transfermarkt」の数字が一番信頼性が高いと思いますので、参考までに。
所属選手の紹介
網羅的に全ての選手情報を記載してもいいのですが、ここでも一環しているのは、スポンサー候補の企業が
を提案書にちりばめる事が重要です。
ですので、クラブビジョンでもお伝えしましたが、スポンサー候補企業の事前の予習は重要です。
ポイントをご紹介します。この項目で予習しておくことは、
- 社長の出身地や創業地
- 日本国内の事業拠点
- 海外の事業拠点
です。
そして、上記の項目と「所属選手の紹介」との「親和性」は、
- 選手の出身地
- 選手の出身国
になります。
スポーツ協賛には、スポンサー企業の「ビジネス視点」と「ストーリー視点」が重要です。
スポンサーがチームのスポンサーになった際に、まず皆さんが気になるのは
「なぜ?」
ですよね。
皆さんと同じ様に、スポンサー企業にもこの「なぜ?」を「世間」「消費者」「株主」に説明する責任があります。
その際に、必要なのがこの「ビジネス視点」と「ストーリー視点」です。
その視点探しに於いて、この「所属選手の紹介」は役に立ちます。
ですので、ただの選手の紹介ではなく、「マーケティング視点」をちりばめた紹介にしましょう。
SNSのフォロワー数など、「数字」を持っている選手も良いかもしれません。
広告媒体の提案
この広告媒体の種類に関しては、
こちらのブログでもお伝えしたので、是非覗いてみてください。
提案書として重要なのは、
- 金額の提示
- 契約年数
- ※広告露出価値
です。「※広告露出価値」に関しては、おそらく社内で掲載に関して、賛否両論があると思います。
サッカー界の話にはなりますが、海外のチームであればその海外放映権のおかげで「視聴者数」が多いので、その「※広告露出価値」は提案する広告媒体の「金額の提示」より高くなるでしょう。
しかし、日本のチーム、ましてはマイナースポーツのチームであれば、
なります。
わざわざ、その金額の違いを見せられて、
「よし!スポンサーやるよ!」
という企業は少ないでしょう。
ですので、ここは注意をして掲載の有無を決定してください。
またスポーツ界に於ける、広告の露出価値の換算は「NIELSEN SPORTS」さんが有名ですね。
実際に広告価値換算をする場合はお問合せしてみてください。
スポンサー権利の紹介
このスポンサー権利の紹介に関しても、
下記のブログの「付帯権利」の項目でも紹介してますので是非覗いてみてください。
前項の「広告媒体の提案」と本項の「スポンサー権利の紹介」に関しては、
今後、別のブログで、その種類や海外の事例を交えながら、
掘り下げて行きたいと思いますので、お待ちください!
まとめ
ここまで、
プロスポーツチームのスポンサー提案書の書き方を必須10項目で解説してきました。
重要なことは前にも述べましたが、提案書の作成に入る前に、
と、
です。その、「親和性」を「ビジネス視点」「ストーリー視点」の両面で生み出し、提案書の中にちりばめる事です。
提案する側のマインドが「親和性」を発見しようと、思い続けながら提案書作成すると、仮にその提案が企業側からして、的外れな提案だったとしても、会話の基準が「前向きな親和性」を探す事に向かっていますので、企業側から逆に、
など、提案されることもあると思います。
提案書は提案する側の「意図」と同時に「熱量」を伝える道具です。
今までにも、様々な企画書、提案書を見てきましたが、その度に、自分に重ね合わせ、自分の提案書に「熱量」はあるのか?と反省と試行錯誤を繰り返してきました。
ただ、正解に辿り着く為の近道は、自分達の価値や提案内容を伝える事より、相手の事を良く知ることなのかもしれません。
是非、事前予習は怠らずスポンサー提案のプレゼンに臨んでみてください!
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