【後編】スポンサー獲得を目的とした今すぐ作れるSNSコンテンツ10選
- 2020.03.27
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今回も、プロスポーツチームに於ける、スポンサー獲得を目的とした、今すぐ作れるSNS(デジタル)コンテンツについての【後編を、私が海外のサッカークラブでマーケティングの仕事をしていた時の経験から、ご紹介したいと思います。
まず、【前編】では、
- 日々の練習風景
- ケガ人の情報(リハビリ状況)
- マッチデー情報(直近のホームゲームの情報)
- 選手の誕生日試合の
- 登録メンバーの発表
この5項目をお伝えしましたので、【後編】では、
- 試合のスターティングイレブン発表
- ホームゲームの観客入場者数の発表
- ゴール速報
- 試合結果速報
- 試合スタッツ情報
を紹介したいと思います!
スターティングイレブン発表
これも、まだまだテキストベースでの発表のみで、スポンサー獲得を目的としたSNSコンテンツにできてない、Jリーグクラブさんも多いのではないでしょうか。
このコンテンツに限らず、【後編】の5項目は、
であることを念頭に置いてください。
試合に向けて、「戦闘態勢」に入り込んでいますので、急に馴染みのないスポンサーや企業名・ロゴが入り込んで来ると、フォロワーであるファン・サポーターに対して「違和感」を生んでしまいます。新規顧客やフォロワーを獲得するコンテンツの際には、その「違和感」が新規層を引き込む「戦略」にはなりますが、ここでは避けたほうが良いでしょう。
ですので、
- ユニフォームスポンサー
- ユニフォームサプライヤー
- メインスポンサー(高額)
- マッチデースポンサー
が妥当でしょう。上記以外ですと、ピンポイントですがE-sports関連の「FIFA(EAsports)」や「ウイイレ(コナミ)」さんなどが「親和性」があります。
Our XI 🔥 #ValenciaRealBetis pic.twitter.com/qKN7P6skPs
— Valencia CF English 🦇💯 (@valenciacf_en) February 29, 2020
【参考】チームのメインスポンサー、オフィシャルパートナーのロゴ掲出
観客入場者数の発表
このコンテンツは、試合中での発表になりますので「試合状況」によってファン・サポーター感情のコントロールが難しいコンテンツになります。ですので、下記にご紹介するコンテンツも、実際にはスポンサーロゴは露出されていません。
ただ、前項の「スターティングイレブンの発表」と同じ様に、
- ユニフォームスポンサー
- ユニフォームサプライヤー
- メインスポンサー(高額)
- マッチデースポンサー
このスポンサー群であれば、スポンサーロゴを露出しても問題ないでしょう。
ですので、ポイントは前項のスターティングイレブンの発表と同様、
のコンテンツと考えていただければと思います。
💚💚💚💚💚💚💚#RBBlive #RealBetisRCDMallorca pic.twitter.com/yhb1Z5nkGV
— Real Betis Balompié (@RealBetis_en) February 21, 2020
【参考】観客入場者数の発表コンテンツ
ゴール速報
これは、最もエモーショナルな感情を伝えるSNSコンテンツですね。多くのクラブが「GIF」で動きを付けて作成しています。
47′ ⏱⚽️ GOAL! 👏 The captain!!!! @joaquinarte with a lovely finish!!! Great start of the second half!!
💚⚪ #RealBetisRCDMallorca 3-2 🔴⚫#RBBlive pic.twitter.com/G2JpvXavg2
— Real Betis Balompié (@RealBetis_en) February 21, 2020
上の参考画像を見て、
と思った方もいらっしゃると思います。
実は、この参考画像のコンテンツのスポンサーは、
どういうことかというと、SNSコンテンツ画像の中に企業ロゴを配置するのではなく、写り込んでいる選手が来ているユニフォームのロゴの露出がこのコンテンツの「意図」なんです。おそらくチームはユニフォームスポンサーとの契約の権利の中に、
という権利を含んでいるんです。
胸スポンサー=メインスポンサーは、この「最もエモーショナル」で最もファン・サポーターの心が「動く」瞬間を他のスポンサーに取られたくないんです。自分達の露出機会のコンテンツとして、権利を確保したいのです。
試合結果情報
この試合結果は、「観客数の発表」と一緒です。
試合結果の速報ですので、試合結果によってファン・サポーターの感情は読めません。無難なのは、ユニフォームスポンサーやオフィシャルスポンサーのスポンサー群になりますが、ある種のチャレンジして、下記のスポンサー企業へ提案したいと思います。
ちなみに参考画像はスポンサーロゴ無しです。
- スタジアム内に飲食を出している企業
- スタジアム周辺(コアファンの経済圏)の店舗を持つ企業全て
以上の企業への提案をここではおススメしたいと思います。
理由と、戦略は、
1.に関しては、試合直後のファン・サポーターの興奮状態利用した、販促施策です。
2.に関しては、次節まで待ちきれないサポーターの期待感情を利用した、販促施策です。
本節で活躍した選手にフォーカスしてプレゼント企画を実施すると、さらに販促効果は高いでしょう。
1.に関して、補足で説明をすると、
と尚良いと思います。例えば「負け」の場合、サポーター感情は「ストレス」が溜まってます。ですので、あえて「負け」のタイミングで「勝ち」よりも割行率の高い企画を打ち出すのです。これもファン・サポーターのストレス感情を逆なでするかどうかは、チャレンジングな施策ではありますが、もしこのブログを見ていただいている方で、チームで働いている方がいらっしゃれば、自チームのファン・サポーターの特徴を考慮し、飲食売店さんと協力して企画を考えてみてください。
95′ ⏱⚽️ Full time!!!! Yeah, boy!!!!!
💚⚪ #RealBetisRealMadrid 2-1 ⚪🟣#RBBlive pic.twitter.com/FGwO5a66H2
— Real Betis Balompié (@RealBetis_en) March 8, 2020
試合スタッツ情報
最後は、開催された試合のスタッツ(ボールポゼッション、パス成功率、走行距離など)になります。
試合終了から少し時間も経ちファン・サポーター感情は落ち着いてきています。選手の試合後のインタビューや、監督のインタビューが展開され、メディアではコメンテーターがそれぞれの視点で試合の分析を発信します。
ピッチ上で90分間の中で起こった様々な場面(パズルのピース)を、主観的は情報と、客観的な情報をもとに、それぞれが自分自身のパズルを完成させて行く時間です。
そして、ファン・サポーターの感情は「次」の試合の予測に向かうのです。
ですので、このコンテンツと相性が良いのは、
- データ分析会社
- スポーツベッティング会社
- トレーディング会社
です。
ベッティング会社に関しては、日本ではまだ解禁されていませんが、
をバンバンしています。
These were our stats in #RealBetisRealMadrid! 📊⚽👍#RBBlive pic.twitter.com/25Z9NxvWv7
— Real Betis Balompié (@RealBetis_en) March 8, 2020
【参考】画像の中央下部にデータ分析会社のロゴ
まとめ
まずは、【前編】【後編】にお付き合いいただき、ありがとうございました。
スポンサー獲得を目的とした、今すぐ作れるSNS(デジタル)コンテンツについて、10個のコンテンツ制作をご紹介させていただきました。
紹介したものの、中々新規のスポンサーを獲得することは簡単なことではありません。
ですので、段階的にこのSNSコンテンツの収益化を考えていただければと思います。
具体的には、
- トライアルとして既存スポンサーに無償で提供する(1年目)
- トライアルした既存スポンサーに有償で提案をする(2年目)
- 商品化をし、広く新規スポンサーの獲得営業を行う(3年目以降
その中でこのステップアップ速度を上げるため、また3.を実施する為の根拠作りとして、
- エンゲージメント、インプレッション率の測定
- 広告露出価値の計算
- 露出企業のイメージ調査(露出前、露出後で比較)
以上を事前に戦略的に仕込んで置くことが、大切です。
どんな企画、施策にも時間と労力がかかります。また今回は「営業」側と「広報」側の連携が重要になります。
同じ目的に向かって、このプロジェクトを進めないと、途中でどちらかの負担が大きくなり、ストレスも溜まって行きます。
ですので、このSNSコンテンツを活用したスポンサー獲得のプロジェクトが実を結ぶかどうかは別にして、
を仕込んで置くことが重要です。
近年、プロスポーツチームのスポンサー営業は年々難しくなって来ています。
費用対効果の見えにくいスポーツ協賛より、チームの買収や株主としての経営参画のほうがメリットが多いと認識され始めております。
それもまた事実としてはあるのですが、是非、チームの中で働かれている方々は企業がスポンサーをすることの「意味」「意義」、「効果」に関して、追及し、収益拡大を図りチームを助けて行っていただけたらと思います。
プロスポーツビジネスは、ファン・サポーターの感情(感傷)的タッチポイントが多く、その感情に寄り添うことで、そのブランドを深く浸透させることができる唯一の広告媒体だと私は思っております。
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