プロスポーツチーム運営に必要な資料を紹介!その作成方法を10項目で解説【会社概要編】
- 2020.03.31
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プロスポーツチームが経済活動をしていく上で、様々な場面で提出する資料がいくつかります。
基本的にどのチームも作成しておくべき資料は、
- 会社概要パンフレット
- スポンサー提案書
- 年間シート募集案内
- ファンクラブ(ブースター)会員募集案内
- 後援会募集案内
- グッズパンフレット
- スクール生募集案内
といった種類が必要最低限の資料だと思います。
今度、新しい企業さんとはじめての打合せがあるんだけど、何を持って行ったら良い?
今回はその中でも、はじめて面談する相手や、スポンサー提案をする場合などに、まず提出する「会社概要(パンフレット)」に記載すべき項目について自身の経験からご説明したいと思います。
会社概要の必須10項目
ずばり、会社概要(パンフレット)に最低限記載すべき項目は、
- 会社名(チーム名、ロゴ)
- 役員
- 設立日
- 資本金
- 所在地
- 公式ホームページのURL
- ホームスタジアム(アリーナ等)
- 理念
- 近年の競技成績
- 現在の所属選手
以上の10項目です。
もちろん、これ以上に伝えるべき内容、伝えたい内容は沢山あると思いますが、基本的に会社概要は年に一度、新シーズンの開始に合わせて作成をすると思いますので、その時点から1年間、よっぽどのことがない限り変更されることがない項目を今回はご紹介しています。
会社名(チーム名)
まずはじめに記載するのは、当たり前ではありますが、プロスポーツチームを運営する法人の会社名、そして活動するプロスポーツチームのチーム名です。
チーム名がそのまま法人名であることも良くありますが、そのチームの成り立ちは様々で、チーム名は変わらないけど、幾度の運営会社の交代得て、法人名が何度も変わっているチームもあります。
商談先もチーム名は知っているけども、会社名は知らなかったなんてことも良くあると思います。ですので、法人の成り立ちや会社名の由来なんかも、チーム名同様、語れるように準備すれば商談の入りもスムーズに行くかもしれませんね。
チーム名、会社名は、
です。人材の入れ替わりの激しい、スポーツビジネス界でもありますので、新しくチームに入社した方や、選手にも、是非このストーリーを説明できる資料と、語れる準備をしておきましょう。
役員
ここも、大切は部分です。
一般的には、プロスポーツチームの多くは中小企業の部類に選別されますので、企業の組織体制は脆弱と思われがちです。
実際に、大手企業の後ろ盾がないプロスポーツチームにとっては、これは否定できない事実です。
ですので、この役員の欄、特に非常勤役員の部分は見る人は見る重要な欄になります。もし、常勤でチームに関わっていなくても、大手企業に所属しながら非常勤役員としてチームの経営に参画している方がいる場合、商談相手にとっては、プラス要素ですし、スポーツ界の事はよくわからないけど、この大手企業の名前は知っているので、組織面や財政面でも信頼できると思っていただけるかもしれません。
設立日
ここは説明不要ですね、会社の設立日です。
もし設立日に何か、意図や思いがあるのであれば、是非そのストーリーも社員の全員が熱く語れる準備はしたいですね。またプロスポーツチームにとって、この設立日(チーム発足日)をもとに、
は収益の最大化の面でも重要な視点です。この周年事業に引っ掛けたキャンペーン展開やイベント企画、特別記念グッズの販売はファン・サポーターの心をくすぐりますし、
少し違った視点ですと、この周年記念事業が一緒の企業とのコラボ企画なんかも、普段コラボできないコンテンツとコラボをするキッカケになりますので是非、一度チームと同い年で、周年記念事業を企画している会社を調べてみてください。
私が実際に、活用していたサイトはこちらです。参考までに。
資本金
資本金は事実を記載するのみです(笑)
注意点としては、資本金のみを記載するチームと、資本準備金も含めて記載する場合の2パターンがありますので、会社概要(パンフレット)の作成担当者の方は、社長や上司にどちらで記載するのかを確認しましょう。
また前年と比較し、増資をしていて、その資本金に変更がある場合、商談相手から増資に関して、理由や株主の構成関して、聞かれることもあるかもしれませんので勉強しておきましょう。
所在地、ホームページ、ホームスタジアム
上記の3項目は、資本金同様、事実の記載です。
ここで説明の補足ができるように、商談の際に事前に調べておきたい内容は、
- ホームページの月間PV数
- ホームスタジアムのキャパシティ(過去の最高入場者数の該当試合)
- 平均入場者数(過去5年間の推移)
- ホームスタジアムのネーミングライツ(があれば)を所持する企業との関係性(地元企業、スポンサー、株主など)
などは、質問される事も多いですし、事前に調べておけば話のネタにもなりますね。
理念
今回、提示させてもらった10項目の中で、
プロスポーツチームが経済活動をし、収益を上げる為には、ファン・サポーター、スポンサー、全てのステークホルダーにそのチームの「理念」「ビジョン」「夢」に「共感」してもらうことが、「投資」してもらう為のファーストステップです。
ですので、この「理念」に関しては、チームに関わる人、全てが理解をしなければならないし、経営者の方は、その重要性を要所要所で伝えて行く必要があると思います。
監督、選手は入れ替わりがあり、その都度「チームスタイル」や「チームイメージ」は変わります。しかし、このチーム運営会社の企業理念は半永久的(運営会社が変わる場合は別)なものですので、新しくチームを作る際にはその「理念」の設定には、じっくりと時間をかけてもらいたいですし、既存のチームであれば、その「理念」の浸透に力を入れてもらいたいです。
上記の新チームの設立に伴う「企業理念」の設定に関しては、私自身のプロバスケットボールの立上げに関わった経験から、今後本ブログでご紹介したいと思います。
近年の競技成績
近年の競技実績が、思ったような結果を得られていない場合、この部分はあまり記載したくないのが本音ですよね。
ただ、プロスポーツチームが商談の場や面談をするまでに至った相手にとっては、競技成績はネガティブでもポジティブでも、どちらでも会話の切り口はあるので安心してください。
例えば、スポンサー営業の際、競技成績が近年悪い場合でも、選手に予算をかける為の資金調達がうまくいっていないことや、他チームと比較して、選手に対する予算規模の大きさが、競技成績に影響することなどを説明し、新規スポンサーの獲得や既存スポンサーの増額に繋げることができます。
スポンサー営業は、「助けてあげたい」「その夢、目標」を一緒に叶えたいと「共感」させることが重要です。ですので、競技成績は悪くても、気にしないでください。その場合はその場合の切り口を探しましょう。
それでも不安な場合は次項の「現在の所属選手」にも関連しますが、個人成績(得点王、アシスト王、新人王など)で特出すべき内容がある場合は、その個人成績を記載することも良いかもしれません。
現在の所属選手
これは、制作する資料のアウトプットの形によって、アレンジが必要です。
どういうことかというと、会社概要(パンフレット)の作成形式がパワーポイントで作成し、A4のコピー用紙で提出するのか、ハンドブックの小冊子(リーフレット)なのか、その形式のスペースによって、「現在の所属選手」一人一人の情報量をアレンジする必要があります。
下記に、私が思う選手情報の記載すべき項目を、優先順位の高い順に列挙致します。
- 名前
- ポジション
- 背番号
- 生年月日(年齢)
- 身長/体重
- 出身地
- ニックネーム
以上が一般的な選手の基本情報であり、優先順位です。
そして、会社概要(パンフレット)の最終的なアウトプットにスペースがあれば、是非選手の写真は入れたいところです。
プロスポーツチームにとって、選手は大切な商品です。もし、何かの商品をアマゾンや楽天等で買い物しようと思った時に、写真がない商品は買いたくないですよね。
またその写真がカッコよかったり、可愛かったりすれば購入意欲は上がりますよね。その心理と同様にチームに親近感を持ってもらう為には選手の写真は重要な要素です。
まとめ
ここまで、プロスポーツチームが作成する「会社概要(パンフレット)」に必要な必須10項目をご紹介してきました。
ここで一番重要なことは、
です。よく営業の際にありがちなのは、「こちら会社概要になります、後で見ておいてください!」と置いてくるだけの方がいます。
プロスポーツチームの営業はモノ売りではなく、コト(体験)を売っています。スタジアムやアリーナに足を運んでもらい、その試合(興行)を見てもらい、そこで得られた体験・感動という、モノのように形のないものを売っています。
そのコト(体験)を買ってもらう為には、この「語り」が重要です。
ですので、チームで働く全ての方が同じレベルで、この会社概要(パンフレット)を「語れる」ように、作成した資料の中身を一人一人に、落とし込むこと作業も忘れずに、経営者の方や、幹部クラブの方は、意識してください。
海外のサッカークラブで働いて一番驚いたのは、この会社概要、歴史をホームスタジアムの掃除のおばさんまでもが「語れる」ということです(笑)
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