日本とオランダのプロバスケットボールビジネスの違い、Bリーグの助っ人としてのオランダ人の可能性
- 2020.03.12
- バスケットボール
今回は、以前から気になっていたオランダのプロバスケットボール事情を探るべく、オランダトップリーグであるDBL(ダッチ・バスケットボール・リーグ)をアリーナで生観戦した感想(たった1試合ですが)から、日本とオランダのプロスポーツビジネスの違いや、オランダ人がBリーグチームの助っ人外国人となる可能性はあるのか?ということについてお話します。
オランダ人助っ人の可能性
結論からすると、
なぜありなのか、オランダのプロバスケットボールを観戦し、スポーツビジネス(スポーツ興行)の視点から考察していきたいと思います。
あくまで私の知識と経験からですので、私自身ももっともっと勉強して確度を高めていきたいと思います。
日本とオランダバスケの違い
私が観戦したのは、DBL(オランダプロバスケットボールリーグ)の2月29日にアムステルダムにありますアポロホールで行われましたApollo Amsterdam(ホーム)とBasketbal Academie Limburg(アウェイ)の試合になります。
まずは会場の雰囲気はこちら、
正直に言いまして、日本でB1~B3まで全てのカテゴリーを観戦した経験から興行に関しては、
まずは興行としての状況からお話すると、
- 観客は150人
- 程度グッズ販売は無し
- アリーナDJ不在
- 飲食はアリーナ常設の簡単なパブ(1店舗)
- チアリーダー不在
- 音響スタッフ(1名)
- モッパー(関係者の子供の女の子)素人
- セキュリティスタッフ(0名)
- チケットもぎり(2名)※デジタルチケット
- マスコットキャラクター不在
上記を見ていただいてわかる通り、
に近く、収益性を考察すると、
- チケット単価 大人8€ 子供5€
- クラブスポンサー看板無し
- リーグのLED看板あり
- 飲食持ち込みOK(アリーナ内の飲食販売の売上減)
観客全員が大人だと仮定しても、入場料収入は「8€×150人=1,200€(約144,000円)で、かろうじてリーグ主導のLED看板がありますので、リーグからの分配金や、チームの公式HPを確認すると、スポンサーが18社いますので、チームの収益の柱は別にあることはわかりましたが、1試合の収益性で考えるとかなり低く、会場の準備と音響機材とスタッフの手配でその収益はなくなるのでは?と思いました。ボランティアで賄っている部分もあるのだと思いますが、収益性は限りなく小さいイベントというのはすぐにわかりました。
では、なぜそんなオランダプロリーグで活動するオランダ人選手がBリーグチームの助っ人になる可能性が「ある」と言い切れるかといいますと、
まずは人件費から推測すると、
つまり、獲得コスト、選手年棒が低コストで済みます。
そして、オランダ人の特徴から、
- 身長が高い(200cm越えがゴロゴロいます)※男女共に平均身長が世界一
- 英語が話せる(通訳等の環境整備コスト減)
- 多国籍国家(異文化への適応能力高い)日本人に似てヨーロッパの中でも寡黙な性格
現在、Bリーグにはオランダ人がいないので、推測でしかありませんが、
ないかと考えています。
では、コストが安くて、身長が高くて、日本に適応できても、
と思いますよね。実は、私が試合を観戦して一番驚いたのは、
です。確かに、オランダはFIBAの世界ランキングで44位(2020年3月3日最新)で日本の40位に比べても下位に位置しますし、東京オリンピックに向けた世界最終予選にも残っていません。ただ観戦した試合のレベル(私見ですが)は、
のようなレベルだったと思います。全員が200cm近くある選手達が10人コートに立ち、攻守にスピーディーな試合展開を繰りひろげていました。
あの狭いバスケコートの中に大男たちが繰り広げるバスケットは、日本ではなかなか見ることのできない迫力だと思いました。
観戦した試合の中で一番気になった選手、すぐにでも日本に連れていったら絶対活躍すると思った選手を紹介します。予習無しで観戦したので、後で調べた結果ですがオランダでも将来を期待される選手のようでした。
名前:Ken Yueong Daan
生年月日:1999年3月7日
身長:1m93
ポジション:PG
国籍:オランダ
Apollo Amsterdamに所属するKen Yueong Daan選手。まだ21歳になったばかりで、後から年齢を知ってビックリしましたが、試合中はベテランの雰囲気を醸し出していました。またU18、U20オランダ代表にも選ばれた経験があり、将来を期待されている選手です。試合中は、そのコート上にいた誰よりも強靭なフィジカルで、少し筋肉が付き過ぎで重いのでは?と思いましたが、その身体を見事に操つり、スピーディーなカウンターの中心になり、見事なダンクシュートを何度も披露し、この試合でもマンオブザマッチ(MVP)に選ばれていました。
まとめ
冒頭でも断言しましたが、
- 選手費が安い(スポーツビジネスサイドからの推測)
- オランダ人の特徴(身長、性格、国柄)
- 意外と高いバスケットレベル
以上から、Bリーグのチームがオランダ人助っ人を獲得するのはあり!だと思います。しかしB2、B1とレベルが上がって行くと、やはり日本人の中では、
が浸透していますので、はじめの開拓は難しいと思いますし、
と思います。ただ、低予算のB2、B3、またはBリーグを目指すチームが
というビジネスは将来的には成り立つかもしれません。
バスケに限らず、オランダ国内にはあちこちに(日本でいうと市町村レベル)に立派なサッカー場、ホッケー場、アリーナがあります。サッカーが一番有名ではありますが、さまざまなスポーツで世界トップレベルの選手を輩出しているオランダの理由が施設から垣間見ることができます。またその施設一つ一つに必ずと言って良いほど、スポンサーが付いているということ。オランダ企業のスポーツへの投資の考えが、日本とは違うのかもしれません。そういった企業のスポーツを「支える」ことに対する考えについても今後、このブログで取り上げて行きたいと思います。
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