【スポーツ業界へ転職したいあなたへ】プロスポーツチームのお仕事内容紹介【サッカー編】
- 2020.04.02
- サッカー
新型コロナウイルスの影響で、仕事が自宅でのリモートワークになったり、スポーツ界では自宅でのトレーニングを強いられているアスリートが世界中に沢山います。
新型コロナウイルスという、「横串」ではありますが、世界中を共通のモノサシで見る事はその国の特徴や国民性、政治的背景などを改めて知る機会になっていると思います。
視野が広がり、様々な価値観に触れると、
と思う方も多いのではないでしょうか?
私も10年前に同じ事を思い、スポーツ業界で働く為の転職活動をしたことを思い出します。
前置きが長くなりましたが、そんな自粛ムードの続くスポーツ界ですが、
- 転職して、スポーツに貢献したい
- 大好きなスポーツを仕事にしたい!
と思っている方の為に、今回はプロサッカーチームのお仕事のご紹介したいと思います。
大きく分けて、プロサッカーチームのお仕事は、
- 【フロント】チームの運営会社で働くスタッフ
- 【チーム】競技を行う現場の監督・選手・スタッフ
- 【アカデミー】未来のプロサッカー選手を育てるスタッフ
以上の3つに分かれます。
もう一つ、スクールと呼ばれる、アカデミーのようにプロサッカー選手の育成を目的にはしていない、小学生以下を対象にしたサッカー教室をホームタウンで行っております。チームによってこのスクールがフロント側の仕事として捉えられるか、アカデミー組織の一部と捉えられるかで、分かれます。今回はスクールはアカデミーのカテゴリーに入ると仮定して、話しを進めさせていただければと思います。
そして、今回はフロントで働く人達にはどんなお仕事があるのか?ご紹介したいと思います。
完全なる私の意見ですが、現在どんな業界で働いている方が、フロント内のどの仕事に向いているかもご紹介していきたいと思います!
サッカーチームのフロントの仕事
プロサッカーチームのフロントのお仕事には、
- 営業
- 事業
- マーチャンダイズ(グッズ)担当
- 運営担当
- 広報担当
実際にはもっと細かく分かれていて、仕事の細分化をしているチームもあれば、逆に、あまりフロントの人材確保に予算をかけられないチームは、一人の方がいくつも掛け持ちしているケースも少なくありません。
ですので、これからサッカーチームへの転職を考えている方は、あまり仕事内容を限定的にする必要はありませんし、
サッカーチームの仕事自体が特殊な仕事なので、どんなに社会人としてビジネスの経験があったとしても、簡単にうまく行く仕事ではありません。
ということは、中途で入社したベテランのビジネスマンも、新卒で入社した子も同じスタートラインだと私は思います。
一番大切は事は、情熱」です。
ただ「頑張ります!」の「情熱」ではなく、サッカーチームで働いて「実現したいこと」をより具体的にした「情熱」を持って行動を起こしてみてください!
営業担当
サッカーチームのフロントに於ける、営業担当者の仕事内容は、
- スポンサー獲得の新規営業
- 既存スポンサーの管理
が主な仕事になりまして、必要なスキルとしては、
- 一般的な営業経験
- 基本的なパソコン操作(Word、Excel、PPT)
だけです!
もちろん、様々なスキルを持っていれば、武器になることは間違いありませんが、
あえて言うならば、「創造(想像)力、妄想力」でしょうか。
スポンサーを獲りたい!と思った時に、この企業ならスポンサーになってくれるんじゃないか?と仮説を立て、そのゴールに向かってプロセスを創造(想像)し、毎日のように妄想をし、スポンサーを獲得した時の喜びを想像できる人、が向いているのではないでしょうか。
サッカー選手のイメージトレーニングと一緒ですね。
今働いている業界で、個人的に向いているのではと思う業界は、
- 広告業界
- 芸能人など著名人のマネジメント会社
理由としては、
基本的に企業が広告を出稿することと、プロスポーツチームのスポンサーになることのお金の流れが似ています。
広告の媒体(ユニフォームやスタジアムの看板など)に値段が付けられていて、その広告媒体に価値を見出した企業が、資金を投入する。
チームの営業担当はその広告媒体を売る仕事です。
また、プロスポーツチームの運営会社にとって、チームそのもの、選手個人が商品です。
その「商品」をどのようにマネジメントして、ブランディングをし、クライアントに売り込むかを考える事も営業の仕事の一つです。
つまり、商品」の価値を高めて、売る(人が対象なので言い方が悪いですが)という作業がマネジメント会社の仕事に似ている部分があると思います。
事業担当
私も実際に経験したことがあるのですが、一言で言うと
です。
プロスポーツチームにとって、収益化できる事業、また収益化よりも地域貢献の要素が強い事業、チームのブランディングや広報活動になる事業など、事業担当者の仕事は多岐に渡ります。
時には営業をして、その事業を行う為の資金調達もするし、事業価値の最大化の為に広報活動も行います。
つまり最終的には営業担当者や広報担当者と連携する必要はありますが、キッカケ作りや骨組み作りをする上では全ての業務に精通している必要があります。
各チームによって事業担当の役割は様々ですので、ここでは私の私見で一般的なプロサッカーチームに於ける役割をご紹介いたします。
- チケットマーケティング
- ファンクラブの運営
- 後援会の管理
- イベントの企画
- DAZNの加入促進
あえてここで、具体的にDAZNさんの名前出しましたが、今のJリーグのクラブにとってDAZNさんとの連携は必須です。各クラブにDAZN新規加入者数のKPIが設けられていて、DAZNさん内の各クラブの担当者さんと密に連携し、そのKPI達成に向けて様々な施策を売って行く必要があります。
現在、Jリーグを通じた間接的な形ではありますが、DAZNさんとJリーグとの放映権契約により得た放映権料の一部が各クラブに分配されています。
その放映権契約(約2100億/10年)と、分配された金額を考えれば、このDAZN加入促進事業は各クラブの事業担当者からすれば、プライオリティの高い事業になります。
必要なスキルは、営業担当同様、基本的なパソコンスキルは必要にはなりますが、
- イベント企画・運営経験(大小問わず)
- マーケティング経験(リアル、デジタル)
が必要になります。
営業担当が「お金」を動かす仕事だとすれば、事業担当は「人」と「感情」を動かす仕事だと思ってください。
営業には既に存在する商品があり、そして自らが行動して、成果を出すので、低コストの仕事です。事業は新しく商品を作り、その他大勢を巻込み、成果を出す、高コストになることが多いです。
サッカークラブで考えると、時間と労力がかかり、また利益率も低くなる仕事が多いでしょう。ですので、一つの事業を始める上で徹底的なリサーチ力とマーケティング力が必要になります。
またそのマーケティングは、スタジアムという「リアル」とWeb上の「デジタル」の両方の感性が必要です。
ここまで聞くと事業は難しそう…と思う方がいらっしゃると思いますが、安心してください。
私も事業担当を任された時は、上記の経験は無かったですし、経験しながら学んでいった感じです。もちろん失敗も沢山しましたし、失敗のほうが多いですね。
おススメの業界は、
- イベント企画・運営会社
- マーケティング会社
で働いている方でしょうか。
かなりの量の提案資料やプロジェクトの管理資料を作成しますので、資料作りが得意な方にもおススメです。
マーチャンダイズ担当
このマーチャンダイズ(グッズ)担当はイメージしやすいのではないでしょうか。
文字通り、スタジアムやオフィシャルショップ、Webショップなどでそのチームのグッズを販売する仕事です。
必要なスキルは、
- 店頭販売の経験
- 在庫管理の経験
- 商品企画の経験
になりますが、これも経験があれば尚良いと思うスキルですので必須条件ではありません。
有形の商品販売をした経験、もしくはメーカー等での実務経験があれば、グッズ制作から販売までの一連のフローや、コスト管理の感覚もありますので向いてるのではないでしょうか。
ですので、
- スポーツショップ
- スポーツメーカー
- デザイン制作会社
からの転職がおススメです。
デザイン制作会社と書いた理由としては、新商品の開発にあたり、多くのチームは外注業者を利用していますが、その際のデザイン制作コストと、チーム側が求めるイメージと違った場合の修正・再納品の時間がかなりもったいないと個人的には感じていました。
ですので、社内で新商品の企画からデザインまでをできるスキルを持ち合わせた方がいれば、かなり重宝されると思います。販売経験がなくても、商品デザインを作れるスキルはかなりスポーツチームで活かせます。
選手の記録(ゴール、出場試合数)など、突発的に短期で企画・制作・販売までを行わなければならないことも多々あるマーチャンダイジングに於いて、「スピード」感は、時に「センス」や「価格」よりも重要になるかもしれません。
運営担当
サッカーチームのフロント業務の中で、一番特殊な仕事かもしれません。
所属するリーグの公式戦、全てのホームゲーム運営の統括をしなければなりません。
Jリーグの平均入場者数は2万人を越えました。一度に2万人が集まる場所で、スタジアムの開門から閉門までを考えるとチームによって、ばらつきはありますが、約5~8時間の間、お客様にとって不便がなく、快適にスタジアムで試合を観戦してもらい、事故なく安全に帰宅してもらう、この全ての責任を年間通して約20試合負わなければなりません。
ですので、
- 危機管理能力
- コミュニケーション力
- サッカーに関する知識
が必要になります。
サッカー場で起きた事故、台風・地震等の自然災害、サポーターの暴動・トラブル、選手への誹謗中傷・差別的発言やメッセージ(横断幕)、周辺地域に対する迷惑行為など、危機管理をしなければならない内容は、多岐に渡ります。
また観客以外にも、地域の警察、消防関係者、ドクター、警備会社、人材派遣会社、設営業者など、連携する関係者も多岐に渡ります。地域性によっては、各関係先の担当者の年齢・性別も様々ですの、コミュニケーション能力も重要な素質です。
ここでは、おススメの企業というより、
スバリ、
がいいのではないでしょうか?!
経験上、この運営担当者で体育系の大学出身者や、体育会系の部活に所属していた方がかなり多いように思います。
彼らは、スポーツを通じて、危機管理やコミュニケーション力を自然と身に付けている方が多いですし、スポーツに関わっていることでサッカーのルールや選手・監督、審判などの心理も把握しやすいでしょう。サッカー経験者であれば尚良いですよね。
はじめにも申し上げましたが、この運営担当の仕事は特殊で、同業界からの転職を除けば、業務をはじめて経験する方がほとんどでしょう。
「スキル」は経験しながら磨いていけますので、より学生時代の経験や、今までの社会経験が活かせる役割だと思っております。
広報担当
最後は広報担当です。
あえて最後に広報を持ってきたのには理由があります!
広報の主な仕事は、チームに関する全ての情報をアウトプットする仕事です。
そのアウトプットの方法には、
- 公式HP
- SNS
- TV
- ラジオ
- 新聞
- 雑誌
- Webメディア
など、様々です。
そして、そのアウトプットする情報を作っているのが、営業担当であり、事業担当であり、グッズ担当であり、運営担当です。
具体例をあげると、
- 新規スポンサーの情報
- イベント開催の情報
- 新商品発売のお知らせ
- 観戦時の注意事項のアナウンス
など、様々です。
もちろん広報担当自らが、日々クリエートするSNSコンテンツなどもありますが、多くは他部署の情報のアウトプットです。
どんなに他部署の担当者が、素晴らしいイベント企画を考えても、どんなに面白い新商品を考えても、広報によってアウトプットされなければ、その努力は水の泡です。
全ての部署と関わり、また情報をより深く理解し、より良い形でアウトプットする、
だと私は思っております。
必要なスキルは、
- ライティングスキル
- スケジュール管理能力
- デジタルマーケティング(データ分析)
- プログラミング
などが挙げられます。ですので、
- HP制作会社
- 出版社
- Webマーケティング会社
- 各種メディア(TV、新聞社、Webメディア、ラジオ)
上記の業界出身の方は、広報の仕事に活かせるのではないでしょうか。
コンテンツのクリエート、プログラミングスキルの必要性は必須ではないですが、SNSの活用に関しては必須になりますので基本操作の理解は必ず必要です。
まとめ
ここまで、プロサッカーチームに於けるフロントの仕事内容に関して、ご紹介してきました。
ただし、上記でご紹介した仕事内容はその一部で、実際はもっともっと多岐に渡る業務内容があり、一人一人の作業量負担は大きなものがあります。
ですので、サッカーチームの仕事は、時間的にも、体力的にもハードな仕事であることはまず知っておいたほうが良いでしょう。
憧れのスポーツ業界で働くことが決まり、期待に胸膨らませて入社した方が、数か月もしない内に現実とのギャップに絶望し、辞めていったケースを何度も見てきました。
ですので、最後にまとめとしてお伝えさせていただきたいことは、スポーツ業界への転職は自らの積極的行動次第では、必要なスキルを持ち合わせていなくとも、そのチャンスを掴むことができるでしょう。しかし、
スポーツチームの経営は、チームの結果に左右される部分が大きいです。
運営会社自体は決して大企業ではなく、ほとんどが中小企業です。
社員の福利厚生、ガバナンス、様々な社内体制が整っていないチームも多くあるでしょう。
自分の力では、どうしようもできない壁にぶち当たることもあるでしょう。
選手は個人事業主です、常に自分のパフォーマンスを評価され、いつ契約を解除されるかわかりません。
それでもチームスポーツですので、自分の事ばかり考えるわけにはいきません。チームが最高のパフォーマンスを発揮する為に、レギュラー、サブ、ケガ人、どの立場であっても、最善の努力をし続けなければなりません。
フロントも同様であるべきだと思っております。
一人一人が、自分の力で会社を大きくしていく、その為に仲間と協力していくマインドを持ち、そして、どんな困難を迎えても、皆でその解決策を考えて考えて、考え抜いて走り続ける。そういった事をやり続けられる人。
ハードルを上げてしまったかもしれませんが、何でもいいんです。
何か小さい事でも、自分が直面した困難に、仲間と手を取り合い、乗り越えた経験があれば、誰でもプロスポーツチームで働くことができると私は思っております。
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